『ニキーチン夫妻と七人の子ども』を読みました。
こんなに真剣に子育てに取り組んだのかと、衝撃を受けました。
彼らの体験から少しでも学べたら、素晴らしいと思いました。
この本は1985年に日本では発行されましたが、
オリジナルは1979年に出されたものかと思われます。
また、最後に“編集部からおねがいとおことわり”の中で
彼らの大胆にみえる育て方の裏には、深い愛情と細心な観察があり、
また気候も風土も違うので、機械的にマネすることなく、
赤ちゃんの様子をよくみながら、慎重にはじめてくださいと記載されています。
彼らの住まいは、ロシア、モスクワのボルシェボです。
それを加味して、私が今後取り入れていきたいと思ったことを記録しておきます。
まずは丈夫なからだ
とにかく庇護をするのは違う。
それでは、天候の急変や周囲の状況の変化に対応できなくなってしまう。
体の抵抗力も弱まるし、ケガをせぬように上手に転ぶ方法も憶えられない。
健康は鍛えなければならないのです。
寒さはお医者さん。厚着をさせすぎない。本人の温度調節器を発達させる。
(ニキーチン夫妻はモスクワの雪の上にオムツだけでだしていたよう)
病は気から。→「そんな薄着だと風邪ひくよ」という掛け声によって病気になる。
体育はオムツの時から、もっと早くから
どんどん体操させる。
(ニキーチン家の子供は、3か月で大人の指にしっかりつかまりぶら下がっていられるようになると、
赤ん坊をベッドから抱き上げる時、大人の親指を差し出し、赤ちゃんがそれにつかまり
大人はそれをベッドから持ち上げる)
這い這いは全身の筋力トレーニングになる。大事。
転ぶことも覚えさせる。
赤ん坊には、自分でできることだけをさせる。
自分で登れそうもないところには立たせない。
ブランコも乗せてやったり揺すってやったりしない。
生まれた時から才能のある子はいない
あらゆる能力を伸ばすうえで一番大切な条件は、時期を失することなく始めること。
≪能力の効果的発達の可能性の不可逆的消滅≫
→すべての健康な子どもは、生まれながらにしてあらゆる種類の人間活動にわたって
その能力を伸ばす、きわめて大きな可能性を持っている。しかしこの可能性は不変ではなく、
年齢とともに少しずつ消滅し、弱まっていく。
だからこそ、環境条件が発育に先んじていることが非常に重要。
子どものより良い発育にとって最も必要なものは子どもの意欲と興味と活動の自由である。(P178)
今必要とされているのは、ただ豊富な知識をもった人間ではなく、
自分のなすべきことや人生での自分の置かれた位置に
創造的に意義が見出せる人間だということ。(P160)
働く義務
仕事について、最後まできちんとやるということを教えるだけでは足りない。
人の手助け、思いやりということも仕事をする理由なのだと教える必要がある。
そのためには、大人も子供も一緒になって、
自分の家族や家のため以外にも、知り合いであれ、見ず知らずの人であれ、
他の人々のためになるようなことをやること。
(4歳の女の子でも、働いて得たお金に対する扱いがまったく違い、
慎重に使い方を検討していた。そしてまた、
働いてお金を得、それを人のために使うという、
人間としての気高い喜びを子どもたちに早く味わわせられた。)
人間関係について
親は他人への思いやりを子どもに教えることにまず心をくだかねばならない。
子どもが他人を細やかに思いやることのできる人間になるにためには、
最低3つの条件が必要。
①まず、大人自身が、お互いに思いやりを持って暮らすこと。
②子どもが手伝いたがった時には、はじめからそれをしりぞけないようにする。
たとえうまくできなくても、その仕事に対して必ず感謝してやる。
③大人が子どもと一緒になって、誰か他のために尽くそうとすること。
例えば、パパはママがいないうちに家の中の掃除をするとか、
ママは、パパがお仕事から帰ってくるまでにみんなで一緒に夕食の支度をして
ちゃんとテーブルの用意をしておきましょうと、言ったりすること。
☆子どもは、自分の友達に幸せをもらたそうと努めるようであらねばならない。
この原則は子どもを育てる上での出発点であり、到達点でもある。(P221)
また、子育ての責任はすべて親にあるというようなことも書いてありました。
最近は、“肩に力をいれすぎず”という雰囲気の情報も多いなか
改めて、子育ての大変さ、大切さを感じることができました。
子育て、真剣に取り組んで行きたいです!!
大きな愛情を持って