社会人が集まって「第九」を歌うべく練習をしています。練習の開催ペースは月に3回程度。

1回120分のレッスンです。

参加者は今までに何度も第九を歌ったことのある人から今回初挑戦の方々まで様々ですし、日々の業務もあるので意欲も様々、参加頻度も様々な人達です。

その、まさに烏合の衆のような団員を、指導下さるのが指揮者の先生。

先生のお陰様でいつも楽しくレッスンに参加しています。その時は上手に歌えたり、声が出るようになったり、イメージが膨らんで感情をのせて歌うことが出来るようになります。

そしてその時はいつも、「今日教えていただいたことを忘れずに、自主練もして、早く暗譜しよう!」と心に思うのですが、家に戻りしばらくするとその思いはどこへやら。ありません。

おそらく、玄関を開けたてかまちに足をかけたあたりでポトリと落ちてしまうのかなと思います。

他の皆さんも似たような様子ではないかと思われます。そのため、レッスンのたびに、指揮者の先生は何度も何度も同じことを、毎回面白く伝えてくださいます。

毎回、面白く、熱量を持って、蹴り返し伝えてくださいます。

指揮者の方は上手に演技をされているのでしょう。直接は感じませんが、慮るに、いつまでもなかなか上手くならない集団を相手に、いかに焦ったく、もどかしく、呆れていることか。いかに我慢して繰り返し伝えてくれていることか。いかに湧き上がる感情を強い意志でコントロールしてくれていることかと。

母が子どもに感じる感情に、シンクロするのではないかと、思いました。

我慢し、忍耐力の限界を拡張し、演技力でのりこえる!