雨の中、娘2人と3人で傘をさしながら歩くことが続きました。
基本的には1列や2列になって歩きます。でも、車通りや人通りが少ない広い道では、3人横に並んで歩けるとこをもあります。
私が真ん中を歩いていますと、子どもたちの傘が私の肩にあたってきます。私の肩がぺっしょりと濡れます。
「私に傘をぶつけてこないでよ~」と2人に伝えても、歩いているとフラフラと2人の傘が私にぶつかってきます。道の広さとか、話している時の距離とかいろいろな要因で近づいてしまうのは分かるのですが、私も傘をさしつつそんなに濡れたくありません。
でも、うまく伝えられないなぁと思っていました。
『竹内正明の編集「編集手帳」傑作選』で、「梅雨入り」というコラムを読みました。
狭い路地ですれ違う人同士が互いの傘を外側に傾け、相手に触れないようにするのを「傘かしげ」といい、江戸期の人々によって伝承されてきた身のこなしで、いわゆる江戸しぐさとして知られているそうです。
そういえば、私は子どもの頃、この傘かしげを当たり前にしていました。歩く時は道のぎりぎり端っこを歩いていましたし、両脇を田んぼに挟まれていた細い一本道を歩いていたから自然にでしょうか。母に教えてもらったのか、誰かのしぐさを見て真似していたのか覚えていませんが、傘をかしげるしぐさをできた時、ちょっとオトナなしぐさをしたような、すれ違う人と優しい気持ちを交わしたような、そんなほんのり温かい気持ちも感じていました。
そういう、ささやかな気遣いを自然と娘たちに伝えられるように、丁寧に日々を過ごしていきたいです。と感じつつ、先日は道の真ん中を歩いてしまっていたし、3人で横に並んで歩くなどどいうのも、江戸しぐさとは対極の行動でしたでしょうか。まずは自身の行動を省みることからはじめます。