ベートーヴェンを感じられるようにと今見られる映画を見てみました。
『楽聖ベートーヴェン』伝記映画。
19世紀はじめ、若きベートーヴェンの愛は報われず、次第に聴覚を失っていきます。苦悩の中で甥のカールが喜びであったようですが、その甥は潰しとなり、ベートーヴェンはひどい貧困の晩年を過ごします。苦悩の中数々の名曲を作ったはずが、やがて死を迎える直前まで、ほとんど認められていないような内容でした。
私がベートーヴェンに勝手に抱いていた、「偉大な作曲家」というイメージはまったく変わってしまいました。
この映画からは、ベートーヴェンは、人好きで、仲間から愛され、音楽を愛した優しいおじさんという印象を受けました。
このおじさんが、必死に作り上げた《第九》です。細かく記載されたピアニシモ→ピアノ→フォルテ→フォルティシモ。様々なテンポの変化とリズム。「Elysium」「feuertrunken」「Heiligtum」「Bruder」などの各単語に書き入れられたスフォルツァンド。
ベートーヴェンが強調したかった音をしっかり歌いたいと、そう思いました。
指揮者の曽我先生は『《第九》虎の巻』(音楽之友社)の「はじめに」にて、「そうあらねばならぬか?そうあらねばならぬ!」を追い求め、ベートーヴェンが思った「そうあらねばならぬ!」に手が届きますように。と想いを記されています。
自由への気運高まるフランス革命前夜、シラー(ドイツの詩人、フリードリッヒ•フォン•シラー)の書いた「歓喜に寄せて」は、若者達に熱狂的に迎えられたそうです。フランス革命(1789年)を超え、若きベートーヴェンは脳裏に刻み30年間もそのアイディアを熟成させ1823年〜1824年に完成させたそうです。
それから200年後、私たちがベートーヴェンの曲に直に触れ、歌うことが出来ます。
ベートーヴェンの表現したかった歓喜に、少しでも近づいてお伝えできますように!