本日『第九』をオペラシティで歌って来ました。
午前中から集合し、控室には楽屋口から入りました。自分の名前に蛍光ペンでチェックをして、専用シールをもらい、割り当てられた部屋を目指します。非日常が始まりました!
控室に入ると、すでにいらしている男性のタキシード姿と、女性の白ブラウスに黒ロングスカートの姿が目に入りました。
キュッと心臓が縮みました。
控室で発声練習と部分的な練習をし、ゲネリハ(本番さながらの総合予行練習)でオーケストラと合わせ、昼食を取り、写真などを撮りながら休憩し、13:50に整列。
並んでホールへ向かい、舞台の袖に待機します。現実感があるようなないような不思議な時間を過ごし、舞台へあがりました。
私は一番後ろ6列目です。指揮者曽我先生の指揮棒が見える位置を確保します。
オーケストラの演奏が始まり、力強い曽我先生の指揮を見つめます。
演奏が表情豊かに進み緊張感が徐々に高まる中、立ち上がるタイミングを今か今かと待ちます。
ダダダダダダダダダダ、のところで全員立ち上がりました。そこからソリストの方々の歌、合唱団の歌とはじまり、最後のグランドフィナーレまで皆で駆け抜けました。
合唱もホール全体に響かせることができたと思います。
みんなでやり遂げました!!
やり切った充実感得ることができました!!
とても、楽しかったです。
実は、つい練習の2回前くらいまで、あまり楽しくないと感じていました。
もともと20代で宇都宮第九合唱団に入り『第九』を経験し、とても楽しかったと記憶しているので、今回も始めたのですが。
その時の「楽しい」を感じられないでいました。
それが残念で、当時、宇都宮第九で仲良くなった友人に「せっかく第九を歌っているのに楽しくない」と伝えました。
すると、「仲間や、グループ、もしくは指導者が原因ではないか」とコメントをもらい、はたと気がつきました。
まだ、私には仲間がいなかったのです。挨拶程度はしていましたが、基本的に1人でした。周りの人々にはそれぞれ仲間が居るように見えていたので、途中から入りにくいし、おしゃべりしてないで歌を暗譜しなければと思い込もうとしていたと思います。
ただ、私にとっては、『第九』を歌えることが楽しかったのではなく、第九を通して友達ができ、一緒に歌ったことが「楽しい」記憶になっていたのだと、はっきりくっきり認識しました。
あと練習も1回あります。遅ればせながら仲間を求めようと取り組みました。
そして迎えた本番当日。
普段より、少し意識的に周りの方に声をかけ、気持ちを言い合ったり、一緒に写真を撮ったり、歌で不安なところを一緒に確認したりしました。
このように少しでも交流が出来ると、一気に私の心は暖められました。また、同じ6列目の女性アルト6人でスモールチームになることを発見し、ブリューデル(兄弟たち)感を、醸成することができたような気がしています。
何かを楽しむコツ。
それは、仲間を得ること。そして共に真剣に事にあたること。この2つがポイントであろうと思われます。