「フルキャリ」ってどんなことかな?と『フルキャリマネジメント子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得』武田佳奈著を読んでみました。フルキャリとは、暮らしにも子育てにも、仕事にもキャリアにも、意欲的に取り組みたいと考える働き手の総称として、新しい価値観や思考・行動特性を持つ働き手として、野村総合研究所が提唱している言葉だそうです。なるほど。私はフルキャリなのかと思いました。暮らしも子育ても仕事も意欲的に取り組みたいです。仕事と並列されているキャリアが何を指しているかはっきりとは分かりませんが、私はフルキャリの定義に当てはまりそうです。

ここ最近は仕事でうつうつとすることも多かったのですが、こちらの本を読むことではっきりと気づけたことがありました。まず、フルキャリを目ざす者に、研修資料の印刷業務はまったく良くないということです。本書P120 にこうあります。「フルキャリの特徴の1つとして、フルキャリは子どもを預けてまで働くからには、誰かに満足してもらえたり、役に立ったりしたい、企業や社会に貢献したいと考えていると説明しました。言い換えると、フルキャリがフルキャリのまま、仕事にも、家庭や子育てにも挑戦し続ける上で必要なのは、『子育てしながら働くことができること』ではなく、『子育てしながらでも、やりがいのある仕事に従事できること』になるのではないでしょうか。そしてやりがいと密接な関係にあるのは『成長と貢献の実感』でした。」そうです。そうです。保育園に子供を預けている時にはよくこの疑問が頭をおもたげました。「これは子どもを人に預けてまで私がやるべきことか?時間をさくべきことか?」という疑問です。今一緒に働くメンバーの一人が、保育園へ子どもを預けながら印刷業務が担当の一つになっている時がありました。今はその印刷業務のボリュームが減りましたが、他の人がテレワークできる業務をしている場合、印刷業務は出社もしなければなりませんので、子育て中の人にはとても相性が悪い業務です。しかし、今それが私の業務の一部になっています…。子どもはもう小学高学年ですが、使用する複合機になれてしまえばスキルアップも何もありませんし、無駄に時間を過ごしているとしか思えない業務、働き方の自由度が著しく制限される業務のため、うつうつとする一つの要因になっています。

もう一つ、「部署が変わり新しい仕事についている」ということは、「両立がしんどい」と感じやすい時ということです。P85、Dさんの事例です。「子育てをしながら今の仕事を続けることが難しいとこれまででもっとも大きく悩んだのは、人事異動で部署が変わり、業務内容が変わった時です。一から業務を覚える必要がありましたが、焦りもあったのかなかなか慣れず、チームに貢献どころか負担を掛けているなという時期が続いていました。」仕事がうまくまわっていないことから生じる不安ややるせなさなどの感情が、両立を困難だと感じさせるというのです。確かに、よくわかります。また、子ども達の体調不良時も、両立は困難だと感じやすい時です。

家で次女と一緒に【推しの子】の実写版を見ていたとき、アイもフルキャリだ!と思いました。

結局、暮らしも子育ても仕事も頑張りたいと思う人を「フルキャリ」という言葉で浮き上がらせてくれたところで、どれも頑張るのはやっぱりしんどい部分もあるよね、と読了後は少し投げ出したい気持ちになりました。