どうしてこの本を手に取ったか忘れてしまいましたが、はじめて読んだのは大学生の頃。とても好きだったことと、またいつか再読したいと思ったことを覚えていました。

今年は、子ども達の夏休みの宿題に、読書感想文が必須となったこともあり、感想文を書きやすそうな本リストを確認したところ、『夜のピクニック』(恩田陸)がありました。

懐かしく、子ども達にも良いかもしれないしと、まずは私が読んでみました。

なるほどなるほど。心が温かくなりました。高校3年生の主人公の貴子や、その友人達それぞれがとても魅力的なのです。個性があり考えがあり悩みあり優しさがあるのです。高校生とはこれほど複雑で深く濃密な人間であるものなのかと、嫉妬を覚える感覚でした。私はこんな高校生であったか?否、と大学当時に思ったであろうと思われます。

きっと、もっと早く読んで高校生活をしっかりぐちゃぐちゃ楽しめば良かったと口惜しさを覚えたはずです。

その時の一瞬にしっかりと向き合って生きたい、そんな思いは高校生も大学生も、40代も同じです。

数年後の落ち着いた時間に期待して、日常をなんとかやり過ごしているだけ…。

相変わらず、その日を過ごしつくしてはいません。もったいないことです。

気がついた1日だけでも丁寧に重ねて、そういう日を増やしていきたいです。