20代の頃に、オーストラリアにワーキングホリデー制度を使って1年間滞在しました。
1年間で、長距離バスのグレイハウンドを利用して大陸一周しました。
その中ではバックパッカーズホテル(略称バッパー)に泊まったり、ホームステイ先に泊まったり、シェアハウスに住みついたりと、色々なところに泊まりました。
そのうち1軒、地下の部屋を貸してもらった時です。普段は使っていない部屋とのことでした。その部屋の持ち主の女性に、部屋を貸してくれることのお礼を言って、バックパックを背負いながらドアを開けて部屋に入ると。シャーーーっと黒いものが動いたのが見え、なんと3匹のゴキブリでした。
1人だし。夜だし。殺虫剤もないし。でも今夜はここで寝なければなりません。
でも、ヤツらが居るのが明らかな状況では安らかに寝られそうにありません。
何かないかと部屋を見渡したら、雑誌がありました。もう詳細は覚えていませんが、雑誌を丸めて1匹のゴキブリ目掛けて振り下ろしました。
見事に捉え、何かがブチャっと潰れたのを覚えています。私の悲鳴と、ものすごい衝撃が体全身を貫きました。
その日寝られたかはもう覚えていません…。
昨夜、子ども達と上の階へ寝に行き、一つ用を思い出して再度下の階へ降りてきて電気をつけました。
部屋を進むと、黒いものが動くのが見えました。心の中で悲鳴をあげつつ、すぐにフマキラーゴキブリ超凍止ジェットをとりに行き、もう一度先ほど動いたあたりに目を凝らします。
すると、うちの黒い掃除機の部品が1つ増えているようです。他の黒い部品になりきって、きっと息を殺していたのでしょう。
私も息を殺し、そーっと手を伸ばしできるだけジェットが直接当たるようにし、噴射!噴射!噴射!
超凍止が目的なので、凍らせて動きをとめても溶けたらすぐ逃げられてしまうので、急いで袋を取ってきて、無事捕獲しました。
一瞬の戦いでした。そして、はじめて黒さんに少し興味を抱きました。「擬態をしていた!?」という発見が、面白いと思ったのです。
でも、1匹見つけたらたくさん居るとのことですので、悠長にしていられませんが。ちょっとだけ、嫌悪感以外の感情を持ちました。