『「なぜ」と聞かない質問術』中田豊一著を読んでいます。「なぜ?」と人に聞いてしまうと、意図せずに相手の「思い込み」を引き出し、「会話のねじれ」が生じてしまい、それがコミュニケーション不全を起こしてしまうといいます。
他にも「なぜ」だけでなく、「どうでした?」という漠然とした問いや、「問題はなんですか」なども、よくない質問としてあげられています。
これらのように思い込みを誘発する質問ではなく、事実を積み重ねる質問をしていくことが、最良のコミュニケーションに繋がると書かれています。
その事実質問を積み重ねるべく、第一歩が、「なぜ」を使わないことです。
そこで意識をしてみると、私は家族に対して「なぜ」「なんで」ばかり言っていたことがわかりました。息を吐くように「なんで」が口をついてきます。娘達との会話は、「なんで」「なんで食べないの?」「どうしてやってないの?」なんで、なんで…。
人は「なぜ」と聞かれると、第一に「思い込み」を引き出してしまい、第二に「言い訳」を引き出してしまうそうです。
だいたい、「なんで食べないの」の返答には「食べてるよ!」とか、無言などが多く、そこから良い会話が生まれた覚えはありません。
さて。では、「なぜ」と言いたくなったらどうしたらよいでしょうか。
「いつ」という事実質問に置き換えて質問するのが良いようです。質問対象とする行為や出来事が一度きりの場合は、「それはいつのこと?」など、そのことが起こった日時を特定する「いつ質問」に変換します。継続的な出来事や繰り返し起こっていることについては、初めと終わりがあるので、「一番最初はいつ?」と順番に聞いていくか、「一番最近はいつ?」と順番にさかのぼっていく聞き方ができます。「なぜ?」と聞かれると考え始めてしまいますが、「いつ?」「その前は?」と聞かれていくと、思い出そうとします。このプロセスが、思い込みを排して、事実を確認していく行為となるようです。
これが、事実質問の基本中の基本です。「なぜ」と聞きたくなったら「いつ」と聞く。「なぜ」を封印し、事実質問をしていこうと思います。関係は変わっていくでしょうか。

