数日前に良いなと思ったことを実現しました。カフェーパウリスタの「銀ブラ珈琲」を飲みながら明治時代の世界に浸ることです。『東京ラストチカ』という2冊簡潔の漫画を読みました。明治43年。文明開化を終え、著しく西洋化し始めた首都東京が舞台です。母を亡くし幼い弟を抱えた主人公の花が、子爵の家に奉公に出て、そこで若き当主に出会い2人は次第に惹かれ合っていくというストーリーでした。

私が勝手に期待していたのは、明治末期の時代の変化を喧々諤々と議論しているような様子でしたが、そのような場面はありませんでした。しかし、華族について、そのころの町の人達の生活についても垣間見られ、明治時代を近くに感じることができました。明治政府は1884年(明治17年)に華族令を発令し華族を5つの爵位によって格付けしていました。この漫画の説明によると「華族の種類は大きく2つに分けられていた」「維新前の家柄を理由に爵位を与えられた者と国家への勲功を評価されたもの」とのことです。とてもイメージしやすいです。当主の周りに描かれる華族のこともさらりと説明されていますが、きっと作者のみよしふるまちさんの頭のなかには描かれているよりもっと深く広い明治時代があるのではないかと感じられました。『東京ラストチカ』はたった2冊で完結してしまいます。初めは2冊完結は読みやすいと思ったのですが、もっと、もっと描いていただきたかったと思いました。

銀ブラ珈琲を飲みながら、また別の明治時代に浸ってみたいです。