小学校中学年のある日の給食だった。

メインが何であったか、うどんかご飯かパンかなど何も覚えていない。

ただ、デザートに、カップに入った茶色いものが出た。私は見たことがなかった。

なんともなしにスプーンですくって口に入れてみたら、フワッシュワで口当たり滑らか、チョコレートの甘い味が、口の中に広がったの。

えー!なにこれ!?おいしい〜!!

と当時の私は思いました。どうしてその日に献立表を確認しなかったのか分かりませんが。

あの茶色いものがなんだったのか分からないまま、

また食べたい出会いたい、

給食にも出てこないのかとやきもきしながら、何年も過ぎました。

それを探してチョコレートプリンを食べてみました。でもあのフワッシュワッな口当たりではありません。

ケーキで探してみましたが、あの素朴や美味しさは見つかりません。

あれからどれくらい経ってからか、おそらくあれは、チョコレートムースだったのだろうと分かるようになりました。

そこで、大人になってからチョコレートムースを食べました。が、当時の感動はまったくありません。

給食で出たのは1回のみ。何の日だったのでしょう。

子供の日だったのでしょうか。

長い年月、なにか分からずおいしいアレは、と思い続けて数十年。

とどのつまり感動の再会はありません。

娘達の給食にも出できたりするのでしょうか。